ALIASレコードが使えるDNSサーバー4選

DNS

DNSサーバーに設定可能なレコードとしてCNAMEレコードがあります。

CNAMEレコードは別ドメインのレコードを参照できるので、利便性が高いですよね。

でも、DNSの仕様により、CNAMEレコードをDNSサーバーに設定できないことがあります。

今回は、CNAMEレコードが使えないケースと、CNAMEの弱点を解決するALIASレコードに対応したDNSサーバーを紹介します。

CNAMEレコードをDNSサーバーに設定できないケース

CNAMEレコードは、Aレコードと同じように特に制限なく使えるイメージがありますが、DNSサーバーに設定できないケースが2つあります。

ネイキッドドメインにCNAMEレコードを設定できない

1つ目の制限は、ネイキッドドメインにはCNAMEレコードが設定できない点です。

ネイキッドドメインとは、egatech.netやgoogle.comのようにサブドメインを含まないドメインのことです。

要するに、トップのドメイン名にはCNAMEは設定できません。

設定できない例:ネイキッドドメイン

egatech.net.    CNAME    sample.jimdofree.com.

設定できる例:サブドメイン

foo.egatech.net.    CNAME    sample.jimdofree.com.

CNAMEレコードとTXTレコードを同時に設定できない

2つ目のCNAMEの制限は、同一ホスト名に対して、CNAMEとTXTレコードの両方を設定できないことです。

設定できない例:

foo.egatech.net.    CNAME    sample.jimdofree.com.
foo.egatech.net.    TXT      "google-site-verification=xxxxxxxx"

お名前ドットコムのDNSサーバーで設定すると、やはり次のようなエラーになりました。

お名前ドットコムのDNSサーバーではTXTとCNAMEを同時に登録できない

CNAMEの代わりにAレコードを使えば、設定は可能です。

設定できる例:

foo.egatech.net.    A        xxx.xxx.xxx.xxx
foo.egatech.net.    TXT      "google-site-verification=xxxxxxxx"

ALIASレコードとは?

ALIASレコードは、CNAMEの2つの制限を回避できる拡張DNSレコードです。

まだRFCでも定義されていません。

ALIASレコードはCNAMEのように使えますが、DNS呼び出し元から見ると、ALIASレコードではなく、Aレコードが設定されていたかのように振舞います。

DNS Aliasレコードの処理の流れ

つまり、DNSリゾルバはALIASレコードを直接受け取りません、DNSサーバーがALIASレコードを処理します。

ALIASレコードが使えるDNSサーバー

ALIASレコードに対応しているDNSサービスのうち、日本ユーザーになじみのあるDNSサービスをまとめます。

Amazon Route 53

AmazonのDNSサービスRoute 53は、ALIASレコードに対応しています。

エイリアス先は、ELBにしたり、S3バケットにしたりと自由自在に使えます。

エイリアスレコードと非エイリアスレコードの選択 - Amazon Route 53
Amazon Route 53 でエイリアスレコードを作成するかどうかを選択します。

CloudFlare

CDNのCloudFlareでは、2014年からCNAMEレコードをフラット化する機能を実装しています。

Introducing CNAME Flattening: RFC-Compliant CNAMEs at a Domain's Root
This post is about a new feature we've been quietly rolling out over the last few months. Last week we began enabling it...

ムームードメイン

ムームードメインのDNSサーバーは、2018年からALIASレコードに対応しています。

国内向けサービスでは、ムームードメインだけですね。

インフォメーション

なお、ムームーDNSが使えるのは、ムームードメインで管理しているドメインのみです。

IIJ DNSプラットフォームサービス

IIJ DNSプラットフォームサービスでは、ANAMEレコードというALIASに似た機能を実装しています。

ANAME仕様

CMSの独自ドメイン化で注意が必要

以上、CNAMEの制限と、それを回避できるサービスを紹介しました。

ネイキッドドメインにCNAMEレコードを設定できないことによる影響はいくつかあります。

代表的なのが、WixやInstapageなどCMSで作ったサイトを独自ドメイン化するとき、ドメインがサブドメインになることです。

たとえばWixで独自ドメインを使った場合は、www.example.com のように必ず www.が付いてしまいます。”www.”のないホスト名は使えません。

最近はANAMEレコードというALIASレコードに似たレコードの仕様検討が始まったようです。早くこの問題が対処できるといいですね。